「報道災害【原発編】」

自由報道協会を立ち上げた上杉隆と報道災害という言葉を提唱した烏賀陽弘道の対談。記者クラブメディアである新聞やテレビの悪口のオンパレード。しかしその悪口は理由のある悪口である。そういった記者クラブメディアは官庁や警察の発表を報道するだけで疑問をいだくこともないし真偽を確かめようともしない。報道でなく広報なのだ。原発事故のときには新聞やテレビは御用学者の発言を伝え安全だといっておきながら、記者たちは50km圏から退避したのだ。うそつきもいいところだし、ジャーナリストなら危険なところにいって取材することが本業と思うが。これらの記者たちはジャーナリストなのではなくサラリーマンなのだ。だから日本人は新聞やテレビではいわゆるジャーナリズムには会えないのである。池上彰の話題もでてきたが、NHKでは左遷みたいにしてこどもニュースに来たらしい。また、休みに自費で海外にいって取材などしているらしい。こういう人たちからみても池上彰の評価は高かった。
面白かったのは計画停電についての上杉隆と東電とのやりとり。
上杉「会長にお伺いします。いま、東電管内の鉄道など大口事業主などに対しては節電や停電の協力を呼びかけていらっしゃいます。一方で、大口事業主のうち7%の電力を消費する民間放送など民放テレビには節電すらお願いしていませんね。阪神のときも、柏崎刈羽原発のときも停波するなどテレビは節電に協力しました。なぜ、電力消費量の多い民放テレビさんにはお願いしないんですか?」
勝俣「えっと、あした広告を出します」
上杉「はっ?」
勝俣「明日だな(横の幹部職員に確認を取りながら)。はい、明日、全紙にお詫び広告を出しますから」
 勝俣会長の発言を理解できなかった私は、質問の仕方が悪かったのだと思い、もう一度、同じ質問を繰り返した。静まり返る会見場で、勝俣会長の声がマイクを通して再び響いた。
「え、はい。テレビ局さんにも広告を出しますから」
 それでも意味が取れない私が、勝俣会長の真意を理解したのはその日の夜、情報源からの電話によってだった。
「上杉君、あれ、勝俣さんは君のことを脅していたんだよ。きっと新聞記者か、テレビ局の記者と勘違いしていたんだけろうな。何しろ生れてこの方、恐らく批判的な質問などされたことないから、広告費をちらつかせたんだ」
(以上は本にあった内容だが文面はネットから拾った)
これだから通常のテレビ局や新聞社は東電のことを悪くかけないのだ。また、こんなことを聞くとあの計画停電はやはり不要だったのではと思える。はやく東電を破綻か国有化かなんでもしてもらって本当のことが知りたいものだ。