大前研一の福島事故報告書

何日か前にうさんくさい民間事故報告書なるものをマスコミが一斉に報道して話題になっていたが、おそらく震災後一年という区切りを利用して菅前総理に事故の責任をなすりつけるために誰かが仕組んだものではないかと思う。だいたい民間報告書なんてたくさんあるのにあれだけマスコミが一斉にとりあげるのは変だ。きっと官僚のやらせだろう。ところが当の菅前総理が統合本部の設置を評価してくれてありがたいというコメントを出したため、その目的がぼやけてしまった。まあ、どのくらいまじめに調査しているのかいずれ読んでみたいとは思うが。私は政府の事故調査委員会の畑村委員長を全面的に信頼しているのでそれとどこが異なるかをチェックすればその意図がわかるというものだ。
ところで大前研一も10月28日に原発事故報告書を出していたようだ。
http://pr.bbt757.com/pdf/interimrepo_111028.pdf
ブログのコメントをみると人的背景は追及せず、工学的に何がおきたかを主眼に調べたようだ。この資料が報告書の本体なのかよくわからないが、文は少なく図表が多くてわかりやすい。また、東海第二、福島第二、女川との比較がくわしくされていて非常に興味深い。また、政府事故調中間報告書の内容とほぼ一致している印象である。結局のところ全交流電源喪失は一応想定されていたが、直流電源も含む全電源喪失はまったく想定外で対処のしようがなかったというのが実態らしい。女川など他の原発電源喪失は多く、あともう少し何かあって喪失していたら同じことになったようである。どんな地震津波でも電源を確保できるか、それが一番の問題だ。再稼動の話がでているが、全電源喪失を想定しているのか、対策をとっているのかそれが問題である。それがなくて再稼動などありえない。単純に夏に電力が足りないから再稼動などと言っている人たちはほんとうに何も考えていないとしか思えない。