「アーティスト」

 映画。この3Dの時代になんとサイレント&モノクロである。ストーリーは非常にわかりやすく、最初っから最後まで見通せるようなもの。サイレントで表現しようとすればそんなに込み入った話はできないだろう。映画によっては最初にストーリーが読めると見る気がしなくなるものもあるが、これは最初っから最後まで面白かった。なにが違うのか。その場の空気が楽しめるというか、期待通りの展開が満足感をかもしだす。
 クラシック音楽もそうだが、最初から最後までやることが決まっていてあらかじめ知ってたりするのにおもしろかったりつまらなかったりするのだ。そこが名演とそうでないのの違いなのだろう。また、フルカラー3Dなどという超リアルな映画の時代にわざわざサイレントというのも野心的な挑戦だ。単純なストーリーのサイレント・モノクロ映画でアカデミー賞を取っちゃう心意気は本当にすごい。
 最後のシーンは本当に楽しくてとてもいい気分で終わる。いいものを見せてもらいました。DVDがでたらまた見たい。