群響定期

 昨日は群響の定期にいってきた。指揮は沼尻竜典。曲はショスタコ4番、バルトークビオラ協奏曲等。昔桐生の第九のときから沼尻竜典はきらいで振り方も見たくないのでずっと目をつぶって聴いていたのだが、目をつぶって聴くと緊張感がとぎれず美しいし迫力もあってとてもいい演奏。指揮者は踊るのが仕事なわけではないのだから演奏がよければそれでいいはずなのに振りっぷりがきらいというのは困ったことだ。
 宮本文昭の指揮と対照的と思う。宮本文昭の指揮はおもに曲想を伝えることをメインにしており、通常の指揮者の仕事であるカウントをとるとか出を指示するとかは弱い。しかしプロオケを相手に振っているわけだからそんなところはオケに任せればいいところと思い、それでいいのではないかと思っていた。一方沼尻竜典はテンポを決めたりカウントをとるなどのいわゆる指揮者の通常の仕事の部分は最強であり、一抹の不安もない。一方曲想の指示は弱くて一般的な曲だとがっかりすることが多い。(単なる好みの問題かも知れないが)
 しかし考えてみれば相手はプロオケなのだから指揮者が任せるところがテンポやカウントであってもよければ、曲想の部分であってもよいはずだ。特にこういう非常に込み入った曲の場合にはカウントが適確で安心できれば曲想をオケにまかせてもオケはいい演奏をするだろう。そういう戦略でこういう曲を選んでいるのかな。だとしたら今回それは大成功。まあとにかく自分勝手な期待に反したいい演奏で満足でした。