「おおかみこどもの雨と雪」

アニメ映画。おおかみおとこの子供を生んだ母の話。だれがみるんだろうと思っていたが、評判がいいらしいしまだやっているので見てみた。おおかみおとこがあっさり死んでしまうところや、おおかみであることを決して知られてはならないという暗黙の掟みたいなのがあるところがいかにもお話だが、それ以外はなんだかリアリティがあって最後まで没入してみることができた。児童相談所が攻め込んでくるところなんかいかにも現代の話だ。八日目の蝉に似たところがある。秘密を持っている母子が人に見つからないように田舎に引っ越すが、かえってとてもいいコミュニケーションができてしまうようなところ。八日目の蝉はバレて突然終わってしまうが、こちらは姉弟はそれぞれの道を歩む。おおかみであるところは御伽噺だが、おおかみでなくてもなんらかの秘密とか強すぎる個性とかに置き換えれば普遍的なだれにでもあるような話なのだ。いろんな意味で成功している。いい話でした。エンドロールのときには不覚にも涙がなかなかとまらなかった。ばれなかったけど。雨の処理はどうすんだろうな。家出人扱いにするんだろうか。捜索願なんかも出しておくのかな。画面では時々風景に実写が混じるのはちょっと気になった。