原子力規制委員会の仕事

原子力規制委員会が発足し、委員長は原子力ムラ出身と報じられていたのでないよりマシとは思ってもそんなにも期待していなかったのだが、なかなかいい仕事をしているようだ。
まず最初にやったのが事故時の放射能拡散予測の発表。間違いが何回かみつかり訂正を重ねるという一見かっこ悪い状況だが、最悪想定こそ安全対策の基本と思い当然のことと思っていた。しかしいわゆる原子力ムラの人たちからみると、この仕事は想定外の衝撃であったようだ。それをよくあらわしているサイト
http://www.gns.ne.jp/eng/g-ken/igiari/obj_958.htm
こんなことしたら再稼動なんてできなくなるという恐怖がよくでている。面白いことに最後の一文「運転管理している電力会社に対して国民の信頼が如何に薄くとも、そのお目付役の規制当局が国民から絶大に信頼を得ていれば、ほとんどの国民は安心するであろうということである。」はまったく同感。なのに本文の意見が自分と真逆なのが面白い。
次の仕事として大飯の活断層調査をやった。それもそんな疑いがあるなら当然調査すべきと思って気にもとめていなかったのだが、それについていろいろ考察しているサイト
http://www.yasuienv.net/ActiveFtOhi.htm
これを見てみると、ここでも原発安全評価のはるか手前の地質学的調査をやっていることに驚き疑問を呈している。
まあ、一言でいえば、原子力規制委員会は再稼動をすぐしたい人たちにとってはまったく期待はずれの動きをしているらしいということだ。だからといっていやがらせをやっているわけではない。そういう価値観からはずれたところに存在しているのは確かなようである。まさに自分が期待していた動きと言える。逆説的だがここが再稼動なんかとはまったく離れた活動をすることによって信頼を得られれば原子力はまた普通に使えるようになるかも知れない。