再生可能エネルギーvs高速増殖炉

世の中、脱原発してかわりに再生可能エネルギーで発電といった夢を抱く人も多いが、多数の批判があるようにそれは無理で現状では脱原発したら代替エネルギーは火力である。再生可能エネルギーは大規模に普及したとしても火力の燃料を多少削減する程度のことしかできない。一方、日本の核燃料サイクル政策は原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、それを高速増殖炉で燃料を増やしながら発電することになっている。これが実現すれば燃料は発電とともに増えるのでもはや外国から燃料を輸入する必要がなくなり、エネルギー的に自立が可能となる、という夢なのだ。それがいつ実現するかというと当初の予定では1985年ごろのはずだったが、今の予定では2050年頃となっている。既存原発再生可能エネルギーで置き換えるのは無理でも高速増殖炉ならどうなのか。2050年なら電気自動車も多く普及しているだろう。再生可能エネルギーは発電が不安定なためにバックアップの火力発電容量がネックだったが、電気自動車が多くあれば不安定電源でも貯めることができる。そうすると今の限度想定よりはるかに大量の再生可能エネルギーを活用できるようになる。コストも下がっているだろうし、プルトニウムのような危険物も扱う必要がなく、核廃棄物も生み出さないし、なにより完全な純国産エネルギーである。高速増殖炉が相手なら再生可能エネルギーも勝てるかも知れない。その可能性は高いといえるだろう。そう考えると核燃料サイクル計画や高速増殖炉研究はさっさと中止して2050年に電力自給を実現する再生可能エネルギーや電池、それにあわせた電力需給システムなどに金を回したほうがよいと思える。