「ブルーオーシャン戦略」

レビューを見るとわかりやすいという評判だが、自分の頭ではなかなか読み進められなかった。すごーい発見があるわけでもなく、まあ、ブルーオーシャン戦略を進めるツールをいろいろ考えているのは役にたつんだろうなとは思う。面白かったのは取り上げられている事例で、シルクドソレイユとかニューヨーク市警とか映画産業がとりあげられており、特に巻末資料の映画産業の発展は面白かった。映写機を発明したのはエジソンだが、それだけでは映画産業が興ったとは言えない。大きなスクリーンと客席を用意して客を集め金をとるという仕組みを誰かが考えてはじめて映画というものができるのだ。娯楽がない時代映画は庶民をとりこにしたが、テレビの普及、ビデオやDVDの普及等でかなり早い段階から斜陽産業と呼ばれてきた。映写機そのものに大きな技術的発展があるわけでもない。3Dが近年はやったがもうすたれている。にも関わらず、今でも映画は娯楽の主要な地位を占めている。それはさまざまな工夫によって価値の創造が行われてきたからだ。イノベーションは技術的なものとは限らない。それを映画産業は非常によく示してくれる。

ブルー・オーシャン戦略

ブルー・オーシャン戦略