太陽光契約中断危険度

九州電力が太陽光の契約を中断し、東北電力もそれにならいそうな気配だ。他の電力会社が追従する危険度はどの程度だろうか。そう思って計算してみた。東京電力の今年の最大電力需要予想値は5320万kW。一方2013年の太陽光出力が最大になる昼12時の電力需要の最低値は5月4日の2500万kW。昼12時の最低需要は最大需要の47%となる。他の電力会社もそんなものと仮定して最大需要の47%の値を出す。この値とFIT認定設備容量とを比較する。結果はこんな感じ。

もっとも危険なのは九州でFIT容量が最低需要の2.3倍もある。受け入れられないことは明らかで契約中止は遅すぎたくらいだ。次に危険なのは北海道と東北で約1.3〜1.5倍。この2社もFIT容量が受け入れ可能なレベルを超えているのでなんらかのアクションは必要だろう。次のグループが中国・四国・沖縄・東京で、FIT認定容量は最低需要を超えていないので受け入れは不可能ではないが、これ以上増えるようだと危険かも。安全なのは関西・中部(ただしFIT設備容量は近畿とあって北陸がないのでここでは近畿を関西と北陸に割り振った)で最低需要の半分以下しか認定容量がないので、まだまだ増やせる。逆に増やさないと夏の電力供給は厳しい。現に関西電力はFIT契約中断はしないと明言した。東京電力は77%とまだ余裕はあるが、危険水域に入りつつあるので油断はできない。とはいえすぐ中断ということはないだろうとは思う。また、東京電力は送電設備の入札制など新しい試みを行っており、この問題の対処もおそらくはメガソーラーからやることが期待できる。それが順序というものだ。太陽光は規模が小さくなるほど問題が少ない。九州電力が何の予告も警告もなくいきなり10kW以上の中断をするというのはこれまで何もやらなすぎであり、乱暴なやりかただ。原発が動くと思って強気になっているのだろうか。