ノーベル賞が
重力波検出に与えられたことがあったが、それにも貢献した日本人学者の書いた本。今は日本の
重力波検出装置KAGRAの仕上げを行っている。KAGRAの特徴が詳しく、非常に期待できることがよくわかる。今回
重力波を検出した
アメリカなどは次期
重力波検出機を地下で低温で作ろうとしているがKAGRAはすでに地下で低温で作ってあるからだ。HPを見るとKAGRAの本格稼働は2019年中とのこと。楽しみだ。この本は
重力波天文学の未来についてもいろいろ解説している。KAGRAのあとにはDECIGOという宇宙空間での
重力波検出を計画しているらしい。KAGRAの長さは3kmだが、DECIGOは1000km!そしてDECIGOでもっとも期待されているのが宇宙が始まったときの
重力波を検出することだ。
宇宙マイクロ波背景放射というのがあって、宇宙ができて光が直進できるようになった時の状態が見えているものだが、ビッグバンの前に宇宙がインフレーションを起こしていればそのときの
重力波が観測されるはずだという。ビッグバンの前というのは何があったか今は理論で考える以外にないが、
重力波が精密に観察できるようになればそのときの痕跡が観測でき、宇宙の始まりに何があったかわかるというわけ。それ以外にも
ダークマターや
ダークエネルギーの解明など
重力波天文学に期待されることは意外に多い。まさに今急速発展中のワクワク感満載。KAGRAやDECIGOの稼働や活躍に期待したい。