「あの日」

あの日

あの日

STAP細胞で有名な小保方さんの著書。これは面白い。なにせまるごと当事者本人の証言なのだから。記者とか理研とかの見解とは違う。もちろん本当のことを言っているかはわからないが、真偽は別にしてこの問題を考える上では読むべき資料だ。これによると経過はこんな感じ。ひょんなことからアメリカに留学、そこで細胞の蛍光発光の現象を発見。バカンティ教授らと3大科学誌でないところに論文投稿したところキメラマウスがないので受理されず。そこでキメラマウス作りのうまい理研の若山研究室に移動しキメラマウス作りを依頼。すると若山教授がキメラマウスを成功させ胎盤もできたとのこと。そこでネイチャーに投稿しようということになる。ここで若山氏は山梨大に移り、小保方さんは理研のユニットリーダーに応募し採用、理研に移る。その指導に笹井さんがあたり、ネイチャー論文の指導を行い、TCR再構成などの主張を加える。そして受理。発表。そして疑惑。大騒動という流れ。つまり小保方さんが発見したのは蛍光だけで、それを若山さんがキメラマウスで膨らませ、笹井さんがTCRとかで膨らませぱんぱんで受理されつつかれてしぼんだ感じ。肝心なのはバカンティ論文はバカンティが責任者、ネイチャー論文は若山氏が責任者、論文の研究をしているときの小保方さんは若山さんの下で研究していたポスドクであり、ユニットリーダーになったのは論文の応募段階のことなのだ。論文の責任が小保方さんだけというのは変。雰囲気、理研が小保方さんに責任を押し付けると組織的に決定されたような印象を受ける。ま、それはともかく、この騒動が起きてから一番聞きたかった小保方さん本人の説明、それがやっと出てきて読めたのは良かった。真実かどうかは知らないが私は納得した。