「捏造の科学者」「あの日」

小保方さんの「あの日」を読んで妙に納得してしまったので逆の見方の「捏造の科学者」を読んでみた。事件の背景の記述は特に違いはないようだ。やはり新聞記者はスクープをとるのに忙しい。また、データがおかしければ不正や捏造だという発想。科学者は多少のミスはあって当たり前、新しい発想こそ宝という発想で両者はかみ合わない。最初は科学者側が強かったのだが、次から次へ新しい不都合な事態が発生し、記者側が強くなって科学者たちが狼狽していく様子がよくわかる。それらを読むとミス、誤認で片づけるのは難しく、なんらかの不正、捏造があったのは明らだ。結局科学者たちは記者側に押される形で不正認定し幕引きをはかった感じ。小保方さんが捏造したと考えればすっきりするのは確かだが、当の小保方さんがそれを否定している以上、真相は闇の中だ。記者は記者としてしっかり仕事をしているが、それが笹井さんを自殺に追い込み、理研を混乱に陥れた。結果だけみれば科学のためにはなっていないと感じる。しかしだから取材をやめろとも言えない。結局、最初にマスコミに大々的に発表してマスコミを巻き込んだ理研の責任であり、バカンティ、若山、笹井らやマスコミを通して一般のおじさま方を熱狂させたあまりにも優秀なおじさまキラーである小保方さんが悪いと言うことかな。