「真空管と十進法 世界初のコンピューター、ENIAC」

100円のキンドル本。雑誌の記事だったようで非常に短いが、中身はなかなかおもしろかった。レーザもそうだが、世界の先駆けとなるような偉大な業績はかえって素直に認められにくいこともあるようだ。ENIACは真空管で作った世界初のコンピュータで、噂では真空管が切れて交換するのに忙しく、まともな計算はほとんどできなかったとされているが、実際には定格の10分の1で使う等の工夫により稼働率90%が可能だったようである。ところが、軍に納品された後は日々の電源入り切りによって真空管が切れ、稼働率40%におちたそうだ。かの有名な天才フォン・ノイマンがその改良型を作って原発開発に使おうとしたが、ENIACの開発者と仲たがいしたためうまくいかなかったそうだ。ENIACの開発者はやっているときは楽しかっただろうな。しかしそのあとのコンピュータの進歩を複雑な思いでみることになっただろう。