プロとアマ


「おまえな、誰も聴いてないところでうまく弾けたってしょうがねえだろ」これは映画カルテットでの袴田君のセリフ。プロオケのオーディションでうまく弾けなかったビオラ君が練習ではうまく弾けるのにとつぶやいたことに対するものです。この言葉ほどプロとアマの違いを如実に表した言葉はないなあと思うわけです。この言葉は当然プロの言葉。聴衆のために演奏するのであって聴衆がいなければ弾く意味はないということであり当然の常識という感じで語られます。しかしアマだったら?人前で演奏する機会のない、機会を作らないアマチュアはとても多いのです。いわばアマチュアにとって聴衆がいるかいないか、本番があるかないかはたいした問題ではないのです。だれも聴く人がいないのになぜ弾くのか。それは弾くこと自体が楽しいからにほかなりません。グループや団体であればあわせることが楽しいからということです。だからアマチュアにとって大切なのは本番ではなく練習です。練習を楽しむことこそ本来の目的のはずなのです。もちろん本番があれば聴衆がいる以上いい演奏をするにこしたことはありません。しかし本番がいかにすばらしくなるとしても練習が苦痛の連続になるようではアマチュアとしては本末転倒の感があると思うわけです。だから練習が楽しい活動がいいなといつも思っているわけです。