ばらまきとは何か

新聞は子供手当てや高速道路の上限制などのばらまきによって予算が膨れ上がったと非難している。昨日も高速道路を利用してきたが、高速料金上限制により高速の利用が増えることは設備の有効利用としては意味があると思うし、観光産業などの刺激、流通の効率化、一般道の渋滞の減少にもなるし政策としては悪くない。もちろん無料化が望ましいが、上限制が現実的な解かも知れない。子供手当てが所得制限をしないばらまきと批判されているが、高所得者は税金をたくさん納めているのに所得制限があると子供手当てをもらえない。本来なら税金を多く納めていれば多少サービスがよくてもおかしくはないのに。子供手当て一律とは差別をしないだけであり、高所得者を優遇しているわけではない。子供を持つことにより所得にかかわらず発生する負担に対し補助しようという発想であり、子供の数に応じて支払うというのはそれなりに意味があることである。また、子供手当が貯蓄にまわるとかパチンコにまわるとか批判されているが、子供の将来に備えた貯蓄を増やすことをだれが責められようか。もちろん子供を持つ人は若くて収入も多くないことが多いから、貯蓄する余裕がない人は当然消費するわけであり、消費にまわる率は高いはずだ。パチンコに回ったとしても景気刺激策にはなる。また、子供手当の支給により子供の数が増えれば数十年先の経済の活性化につながる。子供手当は必ず活きるお金なのである。一方年金はというと高所得者ほどもらえる年金は多く、そこに国費が一部投入されている。つまり年金は明らかに高所得者優遇になっている。年金の機能とは失業保険と似たようなものと思うが所得制限は行われていない。年金受給者は資産を持つ人も多いが年金には資産の有無は関係ない。これこそばらまきでなくて何であろうか。しかも生活に必要なものはそろっている場合が多いからそれこそ将来に備えて貯蓄する人も多いだろう。つまり景気刺激にはならないし、もちろん子供が増えるわけでもない。特に高所得者や資産家に支払われる年金はあらたな価値をほとんど産み出さない。非常にもったいないお金の使い方である。それなのに民主党政権は国費投入を減らそうとした財務省に反対して減額を認めず年金額の現状維持も画策した。責められるべきは子供手当てや高速道路ではなく年金の処理であろう。