「官僚の責任」

改革派官僚として名を知られた古賀茂明の著書。さすがなかなか面白かった。官僚といわれる人たちの内幕をさらけ出し、公務員改革なしには日本の未来はないといっている。官僚の内幕は自分が就職するころの二十数年前と変わっていない印象で、さらにOBや天下りの人数が増えたことでますます互助会的な面が強化されたようである。そうはいっても官僚の力は強く、それを使用する側の政治家の力は弱い。官僚の横暴を許さないためには強い政治家を育てていかなくてはならない。民主党も官僚と戦おうとして力の差を見せつけられ、現在は官僚と強調路線をとっているためにある程度政権運営がスムーズにいくようになっている。しかしこれがいいことかどうかはどうだろうか。菅総理のようにあくまで戦う姿勢を崩さなければその副作用として政権運営は滞り、震災復興も滞り困ったことになるが、官僚にまかせて運営がスムーズにいったとしても、復興資金から天下り財団を作りまくってより金のかかる体質になっていくだけだ。そういったことをさせずにうまく官僚を使える優秀な政治家を育てていかなくてはならない。それにはどうしたらいいのだろうか。

官僚の責任 (PHP新書)

官僚の責任 (PHP新書)