「ミツバチの羽音と地球の回転」

「14歳からの原発問題」に監督インタビューが載っていたので興味をもって、佐野で映画会をやっていたので見に行った。映画の後はその監督さんの講演。映画は冗長で他の人に勧めようとは思わないが、それでも祝島の人たちと中国電力の攻防は見ごたえがあったし、スエーデンの取り組みもなかなか面白い。映画よりはるかに面白かったのが鎌仲ひとみ監督の講演で、イラク劣化ウラン弾の話から始まり、六ヶ所の再処理施設を扱った「六ヶ所ラプソディー」撮影時の苦労話とかなぜ、原発路線が変わらないかとか、いろいろと面白く、また、新聞やテレビでは報道されないような内容で引き込まれた。古賀氏の公務員改革の話と密接に結びつくが、官僚が巨大な互助会と化していて、OBや自分たちの将来のくいぶちを守るために政策を適切に変えられない状況が浮き彫りになってくる。後半は質疑応答の時間があって、日本を変えるために自分たちが何をすればよいかとの問いがあって、監督は「1日1ぶん」という話をしていた。1日1回どこかに電話してくださいという話だ。ミツバチというのは自然との共生を象徴している。羽音はいってみればブーイング、つまり意見の表明である。ミツバチの羽音が地球の回転を止められるかといえばとめられないわけだが、スエーデンの共生社会を作った人たちは5000人の中に5人真剣に考える人がいれば世の中は変えられると言ったとのこと。ミツバチの羽音は無力だけどとにかくぶんぶん言うことが社会の力になると監督は力説していた。電話の相手は誰でもいい。例えば地元選出の議員や東京電力、新聞社やテレビ局、役所とか、とにかく自分がおかしいと思うことは意見を表明していけば人はその影響を受ける。普通の生活をすることと社会への参加の両立を目指すことが大切なことだと言っていた。確かにそうだ。しかし自分の意見を表明するためにはまず自分の意見を持たなければいけない。「自分のアタマで考えよう」をもう一度読む必要があるかも。