日本の再エネと原子力

世界の再エネは過去20年、年率14.2%で伸びており、このままいけば2050年には世界需要の3倍程度が見込まれることを先日示した。一方、日本はどうなのか。日本の再エネと原子力を同じ統計(bp Statistical Review of World Energy July 2021)からグラフ化してみた。

 

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日本の再エネと原子力(2000-2020)

過去20年では日本の場合紆余曲折がいろいろある。原子力は震災前から微減しているが震災で急減。震災後は震災前の水準には遠く及ばない。再エネは震災前になぜか普及が途絶えるが震災後急激に上昇。再エネの伸び率は20年平均では年率10.2%。世界の年率14%から見れば低いが、それでも結構な伸び率だ。

日本での再エネ増加率10.2%が今後も続けばどうなるかグラフ化してみた。

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日本の再エネと原子力(2020-2050)対数目盛

世界に比べれば低い日本の再エネ増加率だが、過去20年の増加率が今後も続けば2050年には全エネルギー需要を賄える規模に成長する。原子力の予想線は書きようがないが、年率2.3%は世界の場合と同じにして震災後の最大に合わせてみた。実際には再稼働が進めばこの曲線よりは上に行くだろうが、増設を主張する政党が皆無なので増えることもないのではないか。日本も結局いろいろ問題があったとしても脱炭素のためには再エネに頼るほかないのだ。