原子力と再エネの規模感
2050年には原子力が今の2倍になるという記事があった。
30年後に2倍とは年率にしたら伸び率年2.3%だ。再エネの伸び率はどんなんだろうと調べてみたら過去20年を平均するとなんと年14.2%。
年14.2%とは17年で10倍、34年で100倍になる伸び率だ。再エネは過去20年これを続けて今やっと原子力と同規模。これらの伸び率を2050年まで延長したらどうなるか。
再エネが過去20年の勢いで伸び続ければ、2050年までだと34年にはちょっと足りないから100倍まではいかないがそれでも今の世界の全エネルギー消費の3倍を賄えるまで成長できる。原発は年率2.3%の成長として2倍になったとしても世界の全エネルギー消費の1割程度。
脱炭素電源は再エネと原子力しかないわけだから(CCSとかもあると言えばあるけど)原子力が2倍しか伸びないのなら再エネを増やすしかなく、そして再エネはこれまでの調子で伸び続ければ全エネルギー消費を賄える希望はある。
しかし再エネもここ10年の伸び率は落ちている。過去10年で平均すると伸び率は12.7%だ。これを延長すると・・・まあ、今の世界の全エネルギー消費の2倍程度。
再エネは多少伸び率が落ちたとしても世界の全エネルギー消費を賄う期待はできる。とは言え増えれば増えるほど適地も少なくなったり反対も多くなったりして増やすのは難しくなるだろう。肝心なのは伸び率を維持することだ。
原子力は今の2倍が3倍になったところで大きな期待はできない。原発派の人は経済のためには原子力とか言ったりするけど規模感を見誤っている。やはり主力は圧倒的に再エネ。再エネを制する者が世界を制する。原子力の人は足を引っ張ったらだめだ。海水ウランを活用したりして再エネに資する原子力にしないと。