「重力波とは何か」

ノーベル賞重力波検出に与えられたことがあったが、それにも貢献した日本人学者の書いた本。今は日本の重力波検出装置KAGRAの仕上げを行っている。KAGRAの特徴が詳しく、非常に期待できることがよくわかる。今回重力波を検出したアメリカなどは次期重力波検出機を地下で低温で作ろうとしているがKAGRAはすでに地下で低温で作ってあるからだ。HPを見るとKAGRAの本格稼働は2019年中とのこと。楽しみだ。この本は重力波天文学の未来についてもいろいろ解説している。KAGRAのあとにはDECIGOという宇宙空間での重力波検出を計画しているらしい。KAGRAの長さは3kmだが、DECIGOは1000km!そしてDECIGOでもっとも期待されているのが宇宙が始まったときの重力波を検出することだ。宇宙マイクロ波背景放射というのがあって、宇宙ができて光が直進できるようになった時の状態が見えているものだが、ビッグバンの前に宇宙がインフレーションを起こしていればそのときの重力波が観測されるはずだという。ビッグバンの前というのは何があったか今は理論で考える以外にないが、重力波が精密に観察できるようになればそのときの痕跡が観測でき、宇宙の始まりに何があったかわかるというわけ。それ以外にもダークマターダークエネルギーの解明など重力波天文学に期待されることは意外に多い。まさに今急速発展中のワクワク感満載。KAGRAやDECIGOの稼働や活躍に期待したい。

九州電力の太陽光出力抑制

先週くらいから週末に九州電力では太陽光の出力を一部抑制している。九州電力は認定容量がピーク電力を超えているからいずれこういう状況になるのは何年も前からわかっていたことだが、それに加えてベースロードとなる原子力を稼働させているので「原発の電気を優先するがために太陽光が犠牲になっている」と原発反対派からの声がたくさん聞こえてくる。原発の出力調整をすればかなり解決するのではと思うが、出力調整は反対派も安全性を理由に反対する人たちがいるし、電力会社も儲けが減るのでやりたがらないだろう。まあ仮に原発を止めたとしてもいずれ太陽光の抑制は必要になる。だからしょうがないと言えばしょうがない。
ところで太陽光の出力抑制について京都大の安田先生が非常にわかりやすい図をツイッターで出していた。

なるほど、これはわかりやすい。部分的な出力抑制をした方が太陽光をはるかにたくさん入れられることがよくわかる。いわゆる過積載と同じ発想だ。過積載ではピークの太陽光を捨てる代わりに曇りや朝晩など太陽光が暗い時の発電が稼げて、結局は捨てた分は回収できる。九州の出力抑制も地域的な過積載と考えればその損は大きくないはず。全然悪い事じゃない。ただ、抑制の影響をうけるのが一部の発電所に限られるので不公平感はあるだろうが。

電気自動車でなかったら

次の車は2021年問題が顕在化したあとの2022年に買おうと思っているが、その際の第一候補はもちろん電気自動車。2021年を過ぎると電気をただ売るだけだとよくて年間5万円程度しかならないが、年間2万キロ走る車ではプリウスでもガソリンに12万円程度かかるので、それを太陽光の電気で走らせれば12万円の出費削減+残りの電気の販売で3万円程度、計15万程度のお得になる。しかし、海山太陽光めぐりすると350km程度あるので電気自動車のカタログ走行距離は600km程度はほしい。そんな電気自動車が2022年までに発売されなかったらどうするか。
①走行距離が足りない分は充電スタンドで補う。
15000kmを電気自動車で、5000kmを充電スタンドで、だと、節約は9万円、電気の売値3万円で12万円のお得。しかし急速も普通も使える充電カードは月会費が4000円とかとられて結構高い。年だと5万円。それ以外に充電料金がかかる。お得は7万円以下になってしまう。
②PHVにする。
充電のかわりにガソリンで走行距離を補う。1万キロ電気で、1万キロガソリンでだと、節約は6万円、電気の売値4万円で10万円のお得。
③今のプリウスを置いておき、近距離用に電気自動車
15000kmを電気自動車で、5000kmをガソリンで、だと、節約は9万円、電気の売値3万円で12万円のお得。しかし、車を2台持つと税金やら保険やらで年間10万程度はかかりそうだからお得は2万円になってしまう。ガソリン車を軽にしても5万円はかかるだろうからお得は7万円になってしまう。
というわけで600km走る電気自動車が手に入らない場合はPHVが一番お得という結論だ。しかし、それでも普通のHVとの差は5万円だから10年乗るとして車両価格が50万以上安ければHVを買って全量売電して5万円を稼ぐのが一番お得ということになる。

パリパリ無限キャベツのもと


最近スーパーで見つけて何度か食べている。これまでも中華あんかけの粉末スープがついたかた焼きそばで売られていたと思うが、それをキャベツと混ぜるという発想の転換と、それを無限キャベツと表現する名前がびっくり。マルちゃんにはこんな突飛な発想をする人がいるんだと思ってネットを調べてみると、無限キャベツなどの「無限なんとか」は2016年ごろ無限ピーマンがSNSでメジャーになったようだ。みんながきらいなピーマンが無限に食べられるレシピということでこの名がついたようだ。その後ピーマン以外の野菜にもそれぞれ合ったレシピが開発されていき、2017年には「無限レシピ」の本が出ている。一方、パリパリ麺のサラダなどはクックパッドなどではもっと前からあるようだ。その二つを組み合わせてマルちゃんが製品化したのだろう。最近はローソンやファミマにも似たようなサラダがでている。ずっと昔からあるものが発想の転換でまたブームになるところが面白い。

リフォーム終了

その自宅屋根の太陽光が2021年FIT買取終了になるのに備えて自宅の断熱リフォーム工事をした。本当は今から相談して計画を立てて3年後にやるつもりだったのだが、話が進んじゃって、また、来年は消費税が上がるかも知れないし、今やることになった。コンクリート住宅だから本当は外断熱をやりたかったが、マンションみたいな外壁が平らな物件だったら可能性があっても、家みたいに不要な凸凹が多い家では非現実的なようだ。というわけでやったことは家中の窓にプラマードを設置(ただし、もとから二重窓だったリビングは三重になってしまうのでつけないで、パッキン補修だけ)、過ごすことの多い和室・キッチン・寝室の壁の内側に真空断熱材を貼りつけ。熱の出入りは窓が一番大きいというから家中の窓につけたのは効果があるだろう。
他に予定していなかったが結構大きな工事になったのがトイレの増設。我が家は各部屋が広く作ってあって過ごしやすいが、なぜか洗面所とトイレは非常に狭く作ってあるのが不満だった。前にセントラルヒーティングのボイラーとかが設置してあった空間が取り外したあと空いていたのでそこにトイレを増設することにした。もとのトイレは壁を壊して洗面所と一体にして広くして、洗濯機の置き場になった。トイレはこれまでの3倍、洗面所も1.5倍の広さになった。コンクリートなのでトイレと洗面所の間の壁を壊すのがそんなところなのに鉄筋がいっぱい入っていたりして結構大変だったようだ。
築43年だがこの家の進歩は止まらない。しかし途中でトイレ増設などいろいろアイデアを追加したので支払総額がまだ出ていない。果たして払えるのか?

海山太陽光2年

海の太陽光は2016年9月5日発電開始なので丸2年がたった。1kWあたりの発電量は1年目が1276kWh、2年目が1242kWh。若干下がっているが、実は気象台による日照時間は1年目が2117h、2年目が2156hと、2年目の方が長い。なのに発電量が下がっているのはちょっと心配。ただ、事前のシミュレーションによる予想発電量は1171kWhなので2年目でもそれよりは6%程度は上回っている。2年目は12月に1台パワコンが故障して1か月弱発電していないのでそのせいもあるかも知れない。だとしたらそんなに悪くも無いのかも。
山の太陽光は1年目1180kWh、2年目1158kWhでやはり2年目が若干落ちているが、こちらも日照時間は2年目の方が多い。パネルが中国製で劣化が速いとしたらちょっと困るが、まだわからない。シミュレーションに比べればこちらも2年目でも6%程度は上回っている。
家の屋根についている太陽光は震災のときについたので丸7年過ぎたが、こちらは劣化の兆候はなく、平均で1409kWh発電している。日照がいい地域でもあるが、発電量の多さと劣化のなさはHITならではか。
3件(3県)とも心配なことや故障などはあっても、おおむね問題なく稼働している。屋根の太陽光はFIT48円買取だがそれでも10年では投資回収は難しく、2021年にFIT買取が終わるまでには回収しきれない。だからその後の活用をいろいろ考える必要がある。海、山はそれぞれ27円、29円買取だが、ほぼ10年で投資回収ができそうだ。ということは20年買取だと投資額の倍額が戻ってくることになる。それまでに劣化しないで頑張ってほしいものだ。

「とんでもなく役に立つ数学」

とんでもなく役に立つ数学 読了。数学の本は読まないが数学者の本は大好き。この本はちょっと題名がおおげさすぎ。中身は、数学が嫌いだったりする高校生達に数学者が数学ってこんなに面白いんだぞと説明している。三角関数も知らない子達にイメージたっぷりで説明するから読者にも分かりやすい。

とは言え、数学は独自にどんどん進んでいるから、進んだ数学を適用できる分野が見つかったりすると、その分野が驚異的に進むし、他の人にはまねのできない威力を発揮する。そう言う意味ではとんでもなく役に立つ数字は過言ではない。

そうはいっても数学を現実問題にいかに適用するかはむずかしい。数学を武器として多用している物理学者たちも苦労している。数学が進歩した分野が問題に適用できればいいが、逆に問題に適用するには数学側の進歩が必要な場合もある。

この問題に数学が使えるかもと思うのは数学者ではなく一般の人達だ。そういう人が増えて数学の適用範囲が広がれば世の中は一層良くなるだろう。この本のような数学好きを増やそうとする本は意味がある。