「燃料電池が世界を変える」


2001年の本。読むのが辛いので3分の1程度読んであとはめくっただけ。なにがつらいかといえばもう10年前から来年には商品化と言われ続けていまだにでない燃料電池に過大な期待をかけているからである。また、CO2による地球温暖化についても思いっきり否定している。もちろんそれが間違っているともいえないのだがゴアさんがノーベル賞をもらったりしてるので今からみれば世界の趨勢からははずれていることは明白だ。また、マイクロガスタービンについても述べている。これは今ではエコウイルとして実用化しているが、前に検討したように発電効率が悪く、経済的ともいえず、使いにくいシステムである。この人の言いたいことは発電を分散化すれば送電損失はなくなり、廃熱を利用できるから環境によく、巨大発電所、特に原発がいらなくなるということがいいたいのだろうと思う。それはその通りであろうし、エコウイルとしてすでに実用化もされているが、発電効率が悪くお湯が余ってしまうし、出力調整ができないのでたいへんに使いづらいものである。燃料電池が家庭用に実用化され、発電効率もあがってお湯があまらなくなり、出力調整も必要にあわせてできるようになればこの本のいうようなことが実現できるだろう。でもその日は2008年の今でもなかなかこないようである。実際のところ灯油ファンヒーターで暖房する場合熱効率は100%なので熱を使う上での効率向上は必要ない。太陽熱でも十分なものが得られる。要は発電効率にかかっている。それがエコウイルでは20%しかない。まるで太陽光発電効率である。はるかに高い発電効率を誇りコストも安く寿命の問題もない燃料電池がはやくでてくることを期待したい。それにしてもよけいな廃熱がでないという点でも太陽光発電はすばらしい。