「地球温暖化論で日本人が殺される」


まあなんとも刺激的な題名の本。いわゆる温暖化懐疑本であるが解説田原総一郎とあったので読んでみた。武田と丸山という二人の教授の対談であり、田原総一郎は対談には加わっておらず、また二人の意見に賛同しているわけでもなく世の中の流れと違う意見を聞くことが重要であることを述べている。内容は必ずしも温暖化論を否定しているわけではなく、証拠不十分なのにやりすぎと言っている。また仮に温暖化したとしても寒冷化よりはいいでしょと言っている。本来地球は寒冷化に向かうはずだったらしいのだ。寒冷化となれば当然食糧不足となり世界各地で戦争がおきる。寒冷化とならなくても石油が枯渇すれば動力や化学肥料にたよった現代の農業は破たんし、食糧不足となって戦争がおきる。だから温暖化は日本にとっては食糧増産に役立つし、少子化によって石油がなくなるころに日本の人口が半減していればまがりなりにも食べていくことが可能で戦争に訴える必要が少なくなる。温暖化も少子化も日本にとってよいことである。たとえ温暖化を食い止めようと日本ががんばったところでCO2のほとんどはアメリカとヨーロッパが出しているのだから日本が削減したところでたいしたことはない。だからわれわれが温暖化防止に進んで協力することはない。というような話だった。細かいところは忘れてしまったが。たしかにそういわれればそういう気もするし、環境派の人が言うのとは違った視点もいろいろあって面白い。ことしはゴアさんの「不都合な真実」で明けて1年間いろいろ検討したが、ほとんどの場合エコロジーはエコノミーであり、自転車通勤などはヘルシーでもあり、実際のところエコロジーを意識するかしないかが違っただけでたぶん行動そのものはほとんど変わっていない。温暖化が本当であるのか、どの程度深刻なものなのかはやっぱり素人にはわからないし、もっぱら政治問題でもあるのでそのへんは政治家に任せてわれわれは普通に(浪費もしないけどケチでもなく)暮らしていけばいいのではなかろうか。