足響感想

昨年12月の中頃、足響の演奏を聴きにいった。曲は全ンチャイコフスキーでスラブ行進曲、ピアノ協奏曲1番、交響曲第5番である。スラブ行進曲は最初だしあの出だしだしなかなかのらなかったが後半はもちなおした感じになってきた。ピアノ協奏曲はピアニストが堂々たる人でまったく不安を感じさせない。一方オケはいまいち。協奏曲の練習はほとんどを肝心なピアニストがいない状況でやらなければならないので熱も入らないだろうし練習時間もすくないことだろう。アマオケで協奏曲は難しい。休憩後チャイコフスキー5番。これはいい演奏だった。不思議なことにいい演奏というのは最初から最後までいい演奏なのだ。出だしの音が聴こえた時にこれはいい!と思ったまま最後まで聴けた。オケもよく練習してたようだし、指揮者もいい振りだったと思う。前にブラームス1番を聴いた時は本番を聴いて感激したのにあとでCDを聴かせてもらってちょっとがっかりしたが、今回はCDにしてもいい演奏になったのではなかろうか。思えばもう15年くらいも前に初めてこの地にやってきて足響に入って最初にやった曲が今回の指揮者鎌田由紀夫氏によるチャイコフスキー第5番だった。楽器を始めて4年目くらいのころで、初めて本格的な指揮のもと本格的な演奏(自分にとっては)ができて感激する一方、音を出すのが怖くなったものだった。今回同じ指揮者で同じ曲を同じオケで聴けたのはとても感慨深かった。指揮者鎌田由紀夫氏は1958年生まれというからまだ若い。自分ともそれほど離れていない。日本各地で活躍されていたのに急に倒れられて亡くなられたそうである。あの演奏はもう聴けない。ご冥福をお祈りいたします。