小選挙区比例代表並立制


今回の選挙、劇的だったが小選挙区比例代表並立制という選挙制度によるところが大きい。政策選択選挙とかマニフェスト選挙とかいわれるのもそうだし、民主党がこれだけ一気に勝てたのも自民党がこれだけ一気に負けたのもこの制度のおかげである。この制度、私は好きだ。特に重複立候補という一見わかりにくい制度が特に好きである。比例代表制は得票率の通りに当選者を割り当てるものであり死票は少ない。一方小選挙区制はトップの人しか通らないので死票が多い。小選挙区死票比例代表で救うのが重複立候補制度なのだ。両者の長所、短所をうまく組み合わせた絶妙な制度だと思う。この制度だれが作ったのか。どうも自民党であるらしい。1989年に自民党内に政治改革推進本部ができ、中選挙区制が諸悪の根源と考え、この制度を作ったようなのだ。しかし野党にも自党にも反対され、海部内閣で挫折、宮沢内閣でも挫折、小沢羽田グループが離党した新生党などが作った細川内閣ができ、野党となった自民党とトップ会談で調整した結果現在の姿となった。当時は大政党に有利な小選挙区制を推進したい自民党、その制度により消えてしまいそうなので反対するその他の党という感じだったらしい。しかしこの制度ができた結果野党は合流し政策を描く力をつけ、制度が想定した政策選択選挙を実現させ、当の自民を歴史に残る敗戦に追い込んだ。制度の力は意外に大きい。いい制度ができていてよかった。