原発をすぐ停めるべきか

原発は日本に50基ぐらいあるそうだ。まあ大雑把に1基年間1000億稼ぐと仮定しよう。全体では年間5兆円稼ぐ。平均余命20年として今ある原発はそのまま動かせば100兆円稼ぐ。その余命20年で福島規模の事故があと何回起きるだろうか。福島規模の事故の損害が何兆円かはまだ不明だが、数〜10兆円と言われている。世界に対する風評被害をすべて計算するとその何倍かになるかもしれない。今ある原発をすぐ停めれば今後そういう被害を抑えられる。しかし、それが100兆に達するか? 気持ち的には達することもあるかもしれないが、まあ、計算上は達しないだろう。2,3回起きれば達するかもしれないが、人間も馬鹿じゃないから同じ事故はおこさないだろう。そう考えれば原発を全部すぐ停めるというようなことは一般人がどんなに望んだところで政府も経済界も電力会社もやらないだろう。そのあと新設するかどうかは今はわからない。置き換え時にはやっぱりコストがものを言うだろう。太陽光はピークカットには有効でも、それ以上の導入には高価であるだろう。風力がとってかわるかどうかは蓄電技術の進歩が鍵を握るだろうが、過去20年を考えればそれほどの進歩があるとも思えない。石炭やLNGにCO2回収を組み合わせたものは現実的だがこれも回収技術の進歩とコストが鍵を握る。回収技術にもそれほど期待できないような気がする。また、燃料代はかかるし、燃料は高騰するかも知れないし、枯渇するかも知れない。地熱や小水力は主な障害が政府の規制にあるのでそれをとっぱらえば原発の置き換えはできるかも。発電の性質も似ているし燃料もいらない。CO2も出ない。技術的にも何も難しいことはない。政治的に難しいだけだ。この20年でこれらの導入を進めればいいのではないかなあ。