やっぱり本当に危険だったのは4号機。奇跡がおきて助かった。

昨日の読売新聞に本当に恐ろしい記事が載っていた。4号機のプールのゲートが3月15日の爆発で壊れて水が流入し、燃料棒の溶融を止めたというものだ。逆に言えば15日の爆発でゲートが壊れていなければその後すぐに空焚きとなって燃料は溶融し下を溶かしながら沈んで行き、地下水と反応して水蒸気爆発を起こし、格納容器もなんにもないので4号機のプールにはいっていた大量の使用済み燃料を全量吹き飛ばしまきちらしたただろう。その場合にはヨウ素セシウムだけでなく、プルトニウムなどの毒性の高いものも周りに拡散し、なにせ量が多いから周辺は相当な高線量となるだろうし、そうなれば周辺はとても人はいることはできなくなり、1,2,3号機の冷却もできなくなって、1,2,3号機ともいずれ同様にメルトダウンを起こし爆発したことだろう。チェルノブイリと違い、黒鉛火災がないので世界への放射能拡散はチェルノブイリよりはましだったかも知れないが、使用済み燃料も含めチェルノブイリの何倍もの放射能が周辺に飛び散るわけだから、以後何十年(何百年?)も誰も決して近づけない地域となっただろう。チェルノブイリをはるかに越える史上最悪の原子力災害が起こったはずだ。われわれも家を捨て、逃げなくてはいけなくなったかも知れない。たまたま最初の爆発でゲートが壊れてそれが起きなかったのだ。奇跡が起きたのだ。
このことをリアルタイムで予想した失敗学会の吉岡氏のレポート
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo3.pdf
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo14.pdf
原子力と言うものがどれほど危険なものかはっきりわかった気がする。しかし世の中危険なものはたくさんある。包丁が危険だからといって包丁を使わずに料理することはできない。危険なものを危険と認識した上で十分注意して使えば使えるはずだ。しかし東京電力原子力安全委員会保安院、学者さんたちは原発は危険なものだと思っていなかったようだ。今回おきた事故を回避するのは簡単だ。高い防潮堤を作る、非常用発電機を高所に置く、ポンプを津波に耐えられる頑丈なものにする、電気設備の入っている建て屋を防水にする、外部電源を複数系統とする、発電所自体を高所に置く、定期点検時に燃料を外に出さないなど。どれもぜんぜん難しいことではない。お金はもちろんかかるが、1基で数兆円稼ぐのだからそれに比べればたいしたことはないはずだ。やるかやらないかだけだ。しかし東京電力はなにもしていなかった。東北電力線をつないでおくことすらしていなかったのだ。原子力安全委員長はそんな確率の低いことは考慮の必要はないと言っていた。テレビに出ていた学者で4号機の危険を指摘していた人は誰もいない。大丈夫、たいしたことにはならないとずっと言っていたのだ。危険を知らない子供に包丁を持たせてはならない。危険性を認識しない東京電力原発を与えてはならない。危険を認識しない保安院原子力安全委員会、能天気な学者さんたちに監督・助言させてはならないのだ。