「東北地方太平洋沖地震は”予知”できなかったのか?」

5月に出ている本なのでおそらく書いているのは地震直後。武田教授と同様な丁寧さでまじめに読む気にならない本だが、書いてあることは恐ろしい。これまでの地震学から東北でM9が起きるなどと予想した人は誰もいなかった。ただし、貞観地震などのデータが揃ってきつつあり、スマトラ島地震もあって、巨大地震が日本にもありうると思っていた人は多いらしい。しかしそれを学説として出ていたのは池田安隆という人が1996年に提唱したものだけだった。その論拠は150万年で東北は1億分の1しか縮んでいない。しかしGPSなどによる現在の縮み方は1000万分の1程度だ。それによる差は過去100年程度でおきたような地震では解消されていない。だからそれを一気に解消する超巨大地震がいつかは必ず起こらなければならないというものだ。今回の地震はこの説を実証したものだというのだ。ということはプレートが沈んでいるところではこの程度の地震はどこでも起こり得る。北海道や茨城沖、東南海、沖縄近海でも起こるだろう。また、直下型地震が海溝型地震によって誘発された事例は歴史的にも多いらしい。新潟から淡路島を結ぶラインではなぜか地表がよっていってるそうだ。これが地震の前兆であるかもしれない。今再稼動が話題になっている大飯原発はそのラインに比較的近い。大飯原発の真西350kmが東京だ。大飯原発は再稼動してほしくないなあ。

東北地方太平洋沖地震は

東北地方太平洋沖地震は"予知"できなかったのか? (サイエンス・アイ新書)