過積載の最適角度

太陽光発電でパワコン容量をはるかに超えるパネルを接続することを俗に過積載というが、その場合の最適角度は通常と違うのではないかという説がある。通常はパネルは真南向きで立てる角度は緯度と同じくらいが最適と言われているが、パネルを何列かに並べる場合はその影の影響を考慮するとあまり立てると土地面積効率が悪くなるので20度くらいがよいと言われている。10度にすると土地面積効率がよくなるが発電効率は落ちる。過積載の場合はピークの発電能力がパワコンによりカットされること及び、光が少ないときの発電量が大きいことを考慮すると、パネル角度を寝せたほうが朝夕の光を拾いやすく、パネルを半分ずつ真南からはずしたほうがさらに朝夕の光を広い、ピークパワーを落としてカットされる電力を少なくできると言うのが過積載の最適角度説である。そこで以下のような方法で計算してみた。NEDOの斜面日射量のデータを各月1日〜5日のデータについて、「20度1倍」「10度1倍」と「20度1.6倍ただし最大値は20度1倍の最大で制限」「10度1.6倍ただし最大値は20度1倍の最大で制限」「角度10度方位90度方位270度の合計の0.8倍ただし最大値は20度1倍の最大で制限」の場合の日射量合計値を比較した。結果は20度1倍を1として、10度1倍は0.953、20度1.6倍は1.420、10度1.6倍は1.390、10度方位90度270度0.8倍は1.316だった。1倍だと10度と20度の差は5%程度だが1.6倍では3%に縮小するが少ないことは同じ。90度270度ではさらに7%低下する。わざわざやる意味は無い。波形を見ると、こんな感じ。


6月2日では朝夕はわずかに10度方位90度270度が上回るが、実質的差はほとんど無い。一方1月1日では10度方位90度270度は明らかに発電量が少ない。冒頭に説明した効果はあるがわずかで、発電量の減少量は大きい。結局過積載でもベストはかわらないということになるかと思う。