高速道路1000円定額制


総理が経済対策として高速道路をどこまで走っても1000円とすると言ったらしい。これが経済政策としてどのくらい優秀なものか私にはわからない。しかしCO2排出削減の視点からは最悪な施策であろう。CO2をまじめに削減しようとしても給湯、空調、調理など生活にかかわる分野の削減は実際のところ難しい。一番削減しやすいのがレジャーに車を使わないことである。だから政府が本気でCO2削減を考えれば便利な車のレジャーから鉄道などの公共交通機関を利用したレジャーへの転換を動機付ける政策が必要なのだ。今回の総理の発表はまさにこれの真逆をいっている。1000円均一にするのは土日の乗用車だけでありレジャーの車が対象であるし、1000円均一ということは長い距離を走るほどお得と言うことである。これでCO2が増えないはずがない。たとえば東京から京都に観光に行くとすると新幹線だと二人で片道26000円かかるが自動車でいけば燃費10km/L、150円/Lとして二人で片道8500円しかかからないことになる。実は現状でも18000円しかかからず鉄道より費用は安い。しかしこの程度の差なら時間と手間を考えれば多くの人は鉄道を選ぶだろう。しかし1/3の費用で行けるとなれば自動車を選ぶ人もふえるだろう。現状1世帯あたりふつうは灯油にして2000L程度のCO2を排出している。この政策により1世帯あたり年間2000km走行距離が増えればCO2は10%増となり、6%削減とか叫んでいる分くらい軽く超えて増えてしまう。コンビニの例でもそうだが、役所はCO2など実はどうでもよいと考えていることがよくわかる。役所のいうことを信じてCO2削減に励んでいる人はつまらないからやめたほうがよい。