「裁判官の横着」


著者は面白い経歴の人で東大の化学科をでている。その後司法試験に合格し裁判官を長年やって最近やめて弁護士になった。横着というと聞こえは悪いが省エネみたいなことでありおそらくはどんな職場でも似たようなことはよくある感じである。裁判官は判決文を書かなければならないがそのほとんどを起訴状や資料、一審判決などからのコピーペーストで作ってしまうなどのこと。当然と言えば当然なのだが。裁判官の仕事は過去の似た判例を探してあてはめるだけという感じで自分でものを考えなくなっていることをこの人は警告している。警告ももっとも。しかし省エネももっとも。自分が裁判官になったらこの人の言うもっともダメな例になってしまいそうだ。裁判官にならんでよかった。