電気自動車の壁


今年は三菱やスバルから電気自動車が発売され、来年には日産もこれまでにない規模の量産を始めるという。そんなわけで今年を電気自動車元年などという人もいる。ハイブリッドはしょせん電気自動車へのつなぎにすぎないという人もいる。しかしどれだけの人が本気でそう思っているのだろうか。簡単にガソリン車とハイブリッドと電気自動車を比べてみよう。ハイブリッドの場合はガソリン車に比べ?燃費は約倍?価格はちょっと高い?給油方法は同じ?航続距離は約倍?排気ガスはちょっときれい、と言う感じだろう。電気自動車はガソリン車に比べ?燃費は火力発電の場合同等?価格は約3倍?充電時間は通常8時間、急速で10分、バッテリー交換という方法もある?航続距離は約1/3?排気ガスはでない。さてどうでしょう。電気自動車が明らかにいいのは?だけ。価格はガソリン車優位。燃費、航続距離はハイブリッドが優位。電気自動車の問題が価格だけなら量産効果で下がることは見込めるだろうとは思うけど航続距離はハイブリッドと比べれば1/6程度しかないわけでハイブリッドの優位は歴然としている。それも技術の進歩で改善されるとしてもおそらく最後までのこる問題が充電であり、もちろんバッテリー交換という秘策はあるが交換バッテリーを用意する側の保全管理は現在のガソリンスタンドとは比べ物にならないくらいたいへんなことになるだろう。電気自動車は意外にメリットが少なくデメリットは数多く、デメリットを克服するには量産効果だけでない技術的なブレークスルーが複数必要である。そういったブレークスルーがおこらない限り電気自動車の時代が来ることはなく、ハイブリッドの天下が続くことだろう。ブレークスルーはいつ起こるかわからない。青色LEDのようにあるとき完璧なものが出現しないとも限らない。しかし何十年もおきない可能性もある。今急速充電設備などを設置しても5年後には使われなくなってしまう可能性も十分あると思う。