「自分のアタマで考えよう」

ブロガーちきりんの2冊目。前のはブログをそのままのせたようなものだったが今回は書き下ろしであるようだ。自分の考えをまとめるテクニックを多く書いてあり、その手の本は他にもいくらでもあるだろうが、ちきりんが書くとやっぱり面白い。ひとつには価値観の違いがある。普通は知識の習得はそれなりの評価をするものだが、ちきりんは考えを惑わすとし、価値をおかない。また、優秀な人が考えて結論を出したものについてもう一度自分で考えるようなことは普通は無駄と思ったり、馬鹿の考え休むに似たりなどといって評価しないものだが、ちきりんはそこにこそ価値をおく。どんなに明らかなことでも自分の頭で考えることによりその意味がわかり、知識が整理でき、考える力がつくといっている。昔中学生くらいのときに読んだ名言集で「どんなに馬鹿な頭でも自分の頭で考える」というものがあった。その言葉に出会ったとき、自分がどんなに考えていないか痛切に感じたものだ。しかし、考えるほど自分の頭が馬鹿であることがわかるし、どうみても自分より利口な人が考えた結果をそのまま受け入れたほうが絶対楽だし時間の有効利用だしいいことのように思えてしまう。確かに世の中の効率とか経済活動の中ではそうかも知れない。ちきりんの説が説得力を持つのは発想が趣味的だからだ。効率とかなんかより、考えることは楽しいことだし、自分の脳みその整理をすることだし、それが好きだから、世の中に役に立つとかではなくて自分の役に立つことだから考えようといっているところだ。趣味的な人生を送ってきた自分にはとってもなじみやすい。

自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう