「福島原発事故はなぜ起きたか」
井野博満・後藤政志・瀬川嘉之の共著。井野という人は東大名誉教授だそうだ。後藤氏はもと設計者で今回とても有名になった人。4月ごろ行われた講演会を書き起こしたもののようだが、今回出た中間報告とそれほど違ってはいない。予想以上にはやくメルトダウンをした理由が地震による配管の破断ではないかと推測しているが中間報告では津波がくるまでは正常に動いていたようなのでそれはないだろうとしている。海水注入が遅れた理由を廃炉を恐れたためと推測しているが中間報告では減圧弁を動かすことがなかなかできなかったためであり、廃炉を気にして注入を遅らせた兆候はないとしている。実際には外部の人がとても予想できないほどもたもたしていたのだ。まったく、想定外のことは起こらないとしてそれをちょっとでも超えた場合のことを一切考えないというのはどういう神経をしているのだろうか。原子力ムラの人たちの神経は世間とは明らかに違っている。今回の事態を予想し事故を回避した実績のある東北電力以外の原発は即刻停止すべきである。
- 作者: 井野博満,後藤政志,瀬川嘉之
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 単行本
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