「原発事故 残留汚染の危険性」

環境問題で物議をかもした武田邦彦の本。この人の本はどうも書き口がばかていねいで気に食わず、他の本は何度も借りては読まずに返すことを繰り返したが、今回やっと読めた。とんでも学者とネットでは言われることが多いが、本を読んだところでは別に変なことを言っている印象はない。この人は原子力安全委員会の専門委員を務めていたことがあってその内幕にも触れているが、原子力は事故があった際は地元住民の著しい放射線被曝をもともと想定している。しかし想定内では事故は起きないので被曝対策は必要ないというような論理で進んでいた。つまり事故があったときには地元住民の放射線被曝は想定内であるのだ。だから事故が起きたとき被曝を低減するような対策はなにもなされなかった。つい先日も過酷事故が起きたときの地元の対策を原子力安全委員会が見直そうとしたとき保安院が抵抗して結局見直されなかったというニュースがあった。原発に対しては一般市民は自分の身は自分で守らなければならない。大飯原発が再稼動しそうなので一般人は肝に銘じるべきである。

原発事故 残留汚染の危険性