「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」

 菅直人夫人、菅伸子の書。菅総理誕生後1ヶ月の2010年7月に出版されている。震災後の今読むとまた、期待以上におもしろい。菅総理の非常にわかりやすい一般向け解説書になっている。菅直人のような人が総理になったというだけでも日本の奇跡だが、震災や原発事故対応によってよくも悪くも歴史に名を残すことになった。もちろん私は菅総理の対応を震災直後から評価しているので、時間がたつにつれ評価は高まると思っているが。震災のとき菅総理でほんとに良かったと思う。
 今まで震災や事故対応として問題だと言われているような事、怒鳴りちらすとか口を出しすぎるとかみたいな話は、この本にもでていてしっかり解説されている。菅はもともとそういう人なのだ。しかしそれはちっとも悪気あってのことではない。しかし未だにそんな態度だったから震災対応がうまくいかなかったなんていう人たちがいてあきれてしまう。そんなことよりどうして本当に役に立たなかった役人たちのことを言わないのだろうか。
 菅直人は組織に属することがきらいな人だった。自民党社会党には属したことがない。権力志向といわれるが、本当に権力がほしければ自民党に入るだろう。それでは意味がなかったのだ。政権交代がおきないことを問題にしていたからだ。そんなんで総理になれるとは誰も思わなかっただろう。成せば成るものだ。

あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの (幻冬舎新書)

あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの (幻冬舎新書)