「ノーベル賞の100年」


1901年に第一回ノーベル賞が授賞されてからの100年を振り返ってみた本。まさにこの100年の科学技術史となっている。おもしろいのはアインシュタイン。これほど世界をフィーバーさせた相対性理論では受賞していない。ノーベル賞委員会はどうもその評価にとまどったようなのである。だから別の論文を理由にして授賞した。一方胃がんの原因の線虫を発見したといった人にノーベル賞を与えたらあとで間違いだとわかった。先端科学はどんなときも評価に困るものなのである。それでもめげずに100年選んできてその評価を落とさないのはすごいことである。常温核融合もいずれ認められてノーベル賞の対象となる日が来るかもしれない。しかしノーベル賞を受けるには生きていることが必要なのでフライシュマンが受賞することはないかもしれない。